食品で脊柱管狭窄症を改善するD「エラスチン」

第4は靭帯の8割を占める弾力線維『エラスチン』で、不足すれば靭帯が肥大し脊柱管が狭まる。 エラスチンは20歳を境に減少の一途で、増やすには牛や豚のスジ肉や小魚の多食が絶好。

エラスチンは、弾力性を持った線維状のタンパク質で、人間を含む動物の皮膚・骨・椎間板・血管・靭帯などに含まれています。 人体の構成成分のうち、水分以外の成分の約8割はエラスチンであることがわかっています。 靭帯は、弾力性のある短い線維組織で、脊柱管の内側から背骨を構成する椎骨と椎骨を支えて結び付けています。 このおかげで、骨の並びが崩れることなく、体を正常に動かすことができます。 エラスチンは椎間板にも含まれており、椎骨同士がぶつかるのを防ぎ、椎骨にかかる衝動を和らげる働きがあります。


■柔軟性と弾力性を生み出す栄養

脊柱管の若返り栄養の第4として紹介したいのが、靭帯を強める栄養の『エラスチン』です。 エラスチンは、線維状のタンパク質で、人間を含む動物の皮膚・骨・椎間板・血管・内臓・靭帯などに含まれています。 エラスチンにはゴムのように伸び縮みする弾力性があり、組織に柔軟性を与えます。 エラスチンは、同じたんぱく質の一種として組織を形成しているコラーゲンと絡み合って存在しています。 この2つを身近なものに例えるなら、コラーゲンは太い針金で、エラスチンは針金を束ねるゴム。 コラーゲンは臓器や組織を形作り、エラスチンはコラーゲンを結び付けているのです。 そしてコラーゲンは組織の固さ(強靭さ)を生み出し、エラスチンは柔軟性と弾力性をもたらしています。

●靭帯が肥厚して、神経や血管を圧迫

人体の各組織にあるエラスチンの量は、たいがいはコラーゲンの量より少ないですが、実は、コラーゲンよりも エラスチンが多くある部位があります。それが、靭帯です。靭帯の構成部分のうち約6割は水分が占めますが、 水分以外の成分の約8割はエラスチンであることがわかっています。 この靭帯を強めることは、脊柱管狭窄症の予防・改善に深く関係しています。

靭帯は、弾力性のある短い線維組織で、脊柱管の内側から背骨を構成する椎骨と椎骨を支えて結び付けています。 もし、弾力性のある靭帯が椎骨と椎骨を結び付けていなければ、前かがみ姿勢を取ったときや背中を反ったとき、 腰を振った時などに、椎骨が飛び出してしまい、体を支えられなくなくなります。 だからこそ、体を正常に動かすためには弾力性を持った靭帯が必要なのです。
体内でエラスチンが不足すると、靭帯が栄養失調の状態になり、弾力性が失われてしまいます。 それでも靭帯は椎骨と椎骨をつないで、椎骨が飛び出すのを防ごうとしますが、その結果、靭帯は疲弊して、 硬く大きくなってしまいます。これを靭帯の肥厚と言います。

エラスチン不足によって脊柱管の中にある靭帯が肥厚してしまうと、脊柱管内の神経や血管が圧迫されます。 すると、脊柱管狭窄症の痛みや痺れが起こってしまうわけです。 なお、エラスチンは靭帯のほかにも椎間板に含まれています。椎間板は背骨を構成する椎骨と椎骨のつなぎ目にあり、 椎骨同士がぶつかるのを防ぎ、椎骨の動きを滑らかにし、衝動を和らげるクッションの役割を果たしています。 ですから、エラスチンが不足すると、椎間板も変形しやすくなり、それに伴って椎骨の変形が進み、 脊柱管の中を通る神経や血管が圧迫されて、脊柱管狭窄症を引き起こすこともあります。

このように、エラスチン不足は、脊柱管狭窄症の発症に大きく関係しているのです。

●ビタミンAとKの補給も心がけよう

エラスチンは、体内で合成されますが、加齢とともに合成量は減っていきます。 そのため、靭帯の肥厚や椎間板の変形を防いで脊柱管狭窄症を予防・改善するには、エラスチンを積極的に補う必要があります。 エラスチンを多めに含む食品には、牛や豚のスジ肉やハツ(心臓)のほか、カツオやシャケ、丸ごと食べることができるイワシなどの 小魚があります。エラスチンは少量でもいいので毎日欠かさず補給するのが肝心です。 このようなエラスチンを手軽に摂れる食材をなるべく毎日食べるようにしましょう。 また、エラスチンの合成を促す栄養のあることが最近になってわかってきました。 その栄養とは、ビタミンAとKです。ビタミンAを多く含む食品は、鶏・豚・牛のレバーやウナギ、ノリ、モロヘイヤ、ニンジンなど。 ビタミンKを多く含む食品は、納豆、ワカメ、ホウレン草、明日葉などです。
これらの食品も、エラスチンを多く含む食品とともに食べると効果的でしょう。


■エラスチンは50歳になるとほぼ半減

体内でエラスチンが不足すると、靭帯が弾力性を失って厚く大きくなったり(肥厚)、椎間板が変形したりして、 脊柱管の中を通っている神経や血管を圧迫し、脊柱管狭窄症を招きやすくなります。 エラスチンは、幼児期から青年期では体内で十分に生成されますが、20歳を過ぎると減少していきます。 50歳になるころには、体内にあるエラスチンの総量は、最盛期の半分にまで減ってしまうと考えられています。 そのため、中高年は、エラスチンを食事から補うことが必要です。そうすれば、衰えた靭帯や椎間板の修復が促され、 ひいては脊柱管狭窄症の予防・改善につなげられるはずです。

食事から摂ったエラスチンは、消化管でアミノ酸やペプチドに分解されたあと、体内に吸収されます。 そして、その分解物がエラスチンの材料として使われます。つまり、エラスチンを多く含む食品を積極的に補えば、 エラスチンがスムーズに合成される、と考えられるわけです。具体的にあげれば、牛や豚のスジ肉やハツ(心臓) にエラスチンが含まれています。筋肉やハツは、肉の中でも硬い部位なので手軽に食べるというわけにはいきませんが、 時間をかけて煮込むことができれば柔らかくなり、エラスチンが豊富で美味しい料理となるので、ぜひ挑戦してください。

また、エラスチンは丸ごと食べることができるシラスやイワシなどの小魚からも補えます。 こうした小魚なら、スジ肉やハツとは違って、手間がかからず簡単にエラスチンを補給できます。 エラスチンを含む食品を日常的に摂るようにしても、エラスチンが体内で著しく増えるわけではありません。 不足が心配なら、サプリメントなどを利用するのも一考です。

●高純度で吸収のいいエラスチン

ところで、最近になって、新型のエラスチンが注目されるようになりました。 新型エラスチンとは、豚の大動脈や魚の動脈球(大動脈の一部が発達したもの)から抽出した、高純度で質の高いエラスチンです。 新型エラスチンは、弾力性を生み出す元となるアミノ酸の「デスモシン」「イソデスモシン」を、 従来のエラスチンよりも格段に多く含んでいることが、大きな特徴です。 この2つの成分はエラスチンを形成する物質を橋のようにつなげているため、「架橋アミノ酸」とも呼ばれ、 エラスチン特有の豊かな弾力を生み出す元となっています。デスモシンとイソデスモシンの含有量が多いということは、 それだけ弾力性に富んでいる証拠ですから、新型エラスチンは質が高いエラスチンと言えます。 さらに、新型エラスチンは水に溶ける性質があり、体内に吸収されやすいという特徴もあります。 最近では、この新型エラスチンのサプリメントが、ドラッグストアーやデパートの健康食品売り場、 通信販売などで広く市販されています。